火垂るの墓、注目ポイント

清田という主人公

火垂るの墓という作品について紐解いていくと見えてくるのは、清田と節子という孤児となってしまった子どもたちが懸命に時代に抗おうとしたものの、最期は誰に看取られることもなくその命を落としてしまう瞬間が描かれている。しかしそれでも本当の意味で孤児だった子どもたちと比べたら全然マシな境遇であることには間違いない。2人が自分たちの力だけで生きていこうとするときにも、当時持っているだけで大金だった貯金が存在していたこと、それを糧にして少なからず大人の力を借りること無く生きていけただけでも凄いことだ。

食糧難がひどく食べるものもない時代において、子供だけで生きていけたことは凄いことだろう。だがその大金も時代の物価高騰によってあっという間に無くなってしまったことを考えると、無駄をしていたわけでもない。それもまた清田が世の中を知らなすぎたということも関係している。こうしたところも清田という少年が自分だけの世界しか知らなかった井の中の蛙大海であったことが否定出来ない。それを象徴しているのが、清田が預金額を引き下ろしに行く時にも描かれている。

例え大金を持っていたとしても使い方によってそれは簡単に雲散霧消となって掻き消えてしまう、そしてお金があったところ何も知らない子供へまともな食料を提供するところもない。いくら海軍士官の息子だからと言っても、その意見を発揮できるのは父や母の存在があってこそだ。ここで少し清田という少年について考えてみる、先述からも見てきたとおり作品によっては清田の浮世離れした価値観と倫理観、そして自分が海軍士官の息子である誇りが人によって傲慢さに見えてしまう側面は、実写ドラマにてうかがい知れる。対してアニメ映画においては世間知らずという面が全面的に強調されていて、プライドが高いといった表現が見当たる部分は少ないだろう。どちらかというと現代でいうところのニートに近いのかもしれない。

清田という主人公に対して賛否両論あるかもしれない、最後まで妹を守りきれずに自らも死んでしまった可哀想な子だと思う人もいるかもしれないが、果たして本当にそうだったのか。またこの清田を通して原作者である野坂氏は何を訴えたかったのか、それにも繋がる部分があるといえる。

夏に観たい、アノ映画

原作者と清田との違い

この作品を執筆した野坂氏は、自身の実体験を元にして描いたことで知られている小説作品となっている。原作小説を知らない人にすれば、清田は妹のために何を投げ打ってでも助けようとした理想的な兄のように見えるかもしれない。しかし前述で話したように世間知らず・傲岸不遜ぶり・浮世絵離れしたお坊ちゃまといった側面が垣間見えているため、妹のためと言いながらただ現実から逃げているだけの少年といったように見る人もいるかもしれない。そして野坂氏もそんな幼少期を過ごしていたのかと思いたいところだが、それは少し異なっている。

原作小説でも節子、つまり野坂氏にも妹は存在していたが、自分は清田のように妹には優しくなく、無情も情けもない中で見捨ててしまったと語っている。後々野坂氏本人が吐露した本心として、自らの実体験で描いた戦災孤児が、妹思いの兄として自分自身を偽ったことが重荷だったとも話しているのです。これが何を意味しているのかというと、それはこの作品における野坂氏の分身とも言える清田の姿は、野坂氏がかつて妹にしてあげたかった事を空想で描いているだけなのです。そんな原作小説ではむしろリアルに妹にしてきたことをありのまま表現しているが、それを過大に表現してしまったのがアニメ映画の火垂るの墓となっているのです。

自分が妹にできなかったこと、してやりたくても時代のせいで自分が生き残ることに精一杯だったという点もあって、アニメ映画について原作者としての立場もあるが二度と見たくないと発言しているほどだという。それくらい、実際の野坂氏と清田は一致しない人物像となっている。それは妹に対しての接し方から異なっている。

実際、原作における節子に対しての接し方

  • 僅かな米をお粥にするも、肝心の実となる部分は妹には与えずに自分で食べていた
  • 幼い妹を父や母がしてきたように世話ができなかった
  • 夜泣きがひどく、泣き止ませるために虐待に近い暴力で脳震盪を引き起こしたこともあった
  • 衰弱していく妹を尻目に、自分だけが生き残るために食事を取っていた

野坂氏自身が悪いわけではない

このようにアニメ映画で語られている清田と実際に野坂氏が妹に対して行ってきた態度は全く持って似つかないものだった事がよく分かるだろう。特に夜泣きをすれば脳震盪を起こすほどに暴力を振るっていたという、一見すると狂気の沙汰としか思えないところだが時代を考えれば夜泣きは応える。昼夜問わず空襲という恐怖に怯えながら生活しなければならない中で、貴重な睡眠時間を削られるのだから精神的に余裕を持つことなど不可能だ。

また食事にしても自分でさえ満足に取ることのできない少年が、妹のために満身創痍となりながら盗みをしてまで養おうとするだろうか。そう、アニメ映画劇中において清田の歪さは現実という側面で考えた上でも、リアルにそんな自己犠牲な行動を取る人が当時いたかという点もあるのです。野坂氏がずっと後悔している点が、まだ生後1年半だった妹を死なせてしまったという点、それが心残りで仕方なかったと語っているが、それで彼を責められるというわけでもない。

戦争という作用がもたらす現実はそれまでの常識を簡単に壊してしまうもの、それが自分よりも脆い存在であればあるほど淘汰されてしまう。

平和を願う、戦争反対!

こんなところも

他にも気にしておきたいポイントとしてあげる点はある、ここで少し個人的に気になる点について考察を交えつつ話をしていこう。

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名作、火垂るの墓を読み解く