節子の死を紐解く

節子が死んだ原因について

次に気になる点として挙げるのは、妹節子が死ぬことになった原因についてだ。作中ではさも当たり前のように表現されているが、節子の死因は栄養失調と言われている。食料不足が深刻な時代だった当時、満足に食べられる人々というのは軍人家系の人間か、もしくはほんのごく一部の富裕層のみと言われていた。清田と節子もカースト的に見れば上流階級に位置していたが、父と母の死によって転落して最下層にまで落ちてしまった。元々彼らが自分たちで築き上げたものではなく、親が作ってきた財でもあったため貧乏などとは無縁の生活にいながらも、本当の意味でお金というものを理解していなかったと分析することも出来る。

また彼らは自分たちの境遇上、お腹一杯に満足いくまで食べられるのが当たり前だったため、自分たちが食べられない事が不思議でならなかったとも見て取れる。叔母との諍いの後は自分たちの力だけで食事をしていけると信じて疑わなかったが、本当の意味で世界を知ることのなかった清田と節子の苦難は語るに及ばずだ。

そうした中で空腹、満足いくまで食事ができない状況によって節子は栄養失調を引き起こしてしまう。幼い妹を助けるために清田は盗みを働いてまで助けようとするも、その願いが叶うことはなかった。さてこの時、節子は栄養失調で死んだと作中でも明言されているが、一説には栄養失調で死んではいないという考察がされているのをご存知だろうか。ではそこで語れる、節子の死の原因とは何なのかを見てみよう。

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本当の死の原因は

栄養失調が原因だとされていますが、ただ栄養失調で節子が死んだのなら彼女より先に清田が死ぬはずだと言われているのです。節子と同じく満足に食べられていない上。エネルギー消費量なども加味して考えると、先に清田が死去するのが普通だと述べられている。ではどうして節子は死んだのか、栄養失調ではなく何が原因となって死去する顛末となってしまったのかと読み解いてみると、問題とされるのは冒頭部分における母と別れてから最初の空襲被害によって逃げ惑う際においてだった。

その時、空襲後に降り注ぐ雨が降ってきた時に節子の左目には雨粒が入り込んだのです。その後雨粒が入り込んだ左目から痛みを発するとして兄に異物感を唱えており、避難先として支持された学校で目の洗浄をしてもらった。そこでは一旦大事なく無事にすんだが、この雨粒が原因とされている。もちろんただの雨が目に入っただけで死に追いやられるわけではない。この時雨粒の中に含まれていた成分が問題とされているのです。それは何かというと、この当時空爆した場所はアメリカ軍によって日本における軍事拠点として重要施設が立ち並ぶ場所でもあった。実際の戦時下においてもそうした施設を中心に襲撃をしていったが、そこで行われている道具などに直接引火すれば人体に有害な化学成分が空中に舞い上がることは疑う余地もない。

そう、雨粒にはそんな幼い節子の身体を破壊するだけの有害な成分が含まれていたことになるのです。それがひいては栄養失調をも引き起こす合併症へと繋がっていったと言われている。

叔母の自宅にいた頃から

実はその徴候は横穴での生活以前から発症していた。目に見えて現れていたのは節子の背中に出来たあせもだった、それを療養するために海へと訪れていたが、あせもを引き起こした原因はただ汗を多量にかいて乾いたために引き起こされたという、単純な原因ではないと分析することが出来るという。

もちろん年齢が幼く、まともな免疫力もない状態で有害物質が身体の中に入り込んでしまい、ただでさえ満足な栄養を補給することの出来ない状況では、状態が悪化しても仕方のないところだ。その後清田の賢明な努力も虚しく、節子の身体は衰弱していき病院へ見せた時にはすでに手遅れだったと見えるべきだろう。医者も目に見えた状態から栄養失調が原因だと診断したものの、それがまさか化学物質による遠因だとは考えてもつかなったのかもしれない。

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清田が殺したも同然

作中で一番の被害者、という位置づけをするなら節子だと判断する人が多い。まだ4歳で世界を知ることもなく、その短命を終えることになってしまった少女の命を奪った最大の元凶は清田のエゴイズムが原因だと語る人もいる。彼がもっと柔軟に対応できる、まともに動ける人間であったならこんな事にはならなかったと述べる人もいるくらいだ。

利己的な部分があったという点については否定出来ないところだ、叔母の家を出て行く決断をしたのも結局清田が自分一人で決めたこと、誰に邪魔されること無く妹と2人だけで生きていこうとしたが、経済力もない、コネもない、働き口もない少年が出来たのは何も計画性がないまま飛び出してしまった。その結果、節子は医者に見せるまでには焦点の定まらない中で1人横穴に取り残されて、兄の帰りを待たなければならない寂しい時間を過ごさなければならなくなる。

そう考えると、西宮の叔母でまだ暮らしていた方が良かったと分析もできるが、それは恐らく清田自身がこれまでの自分が行ってきた行動を反省しなければならないところから始めなければならない。それが本当に出来たかどうかというと、かなり微妙なところだ。


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