母の死、兄の覚悟

作品の始まり

ここからは簡単に話のあらすじを紹介していこう。今回は主にアニメ映画本編のあらすじから読み解いて行く、というよりはアニメ映画の印象が圧倒的に強い今作なのですでに知っている人もいるが、改めて見ていく。

冒頭部分、ぼんやりと赤黒い背景から始まりそこに立っているのは物語の主人公であり、語り部としても描かれている清田だ。しかしその清田はすでに死後のもの、幽霊として描かれており楚々のすぐ目の前には彼が死ぬ直前の姿が描かれている。浮浪者となった彼の末路は駅構内における餓死だった、周囲には彼と同年代くらいの人間が同じような最期を迎えており駅構員によりすでに息のない死体は処分されていた。清田ももう虫の息であり、いつ死んでもおかしくない状況下にあったがそのポケットからこぼれ落ちたのは錆びついた缶。何も事情の知らない人からすればただのゴミだった、清田が完全にこの世を去った後、その缶は打ち捨てられてしまい落ちた反動で中身が溢れる。それは人の骨だった、それはかつて清田が愛して守りたかった唯一無二の妹節子のものだった。

直後に草むらから登場したのは同じように死んで幽霊になった節子が死骸と成り果てた兄の元へ駆け寄ろうとするもそれを後ろにいた兄に引き止められる。清田は地面に転がっていた缶、かつて節子が隙でやまなかったドロップ缶へと変容し、それを持って歩き出す。やがてとある駅にたどり着くと2人は無言で乗る。やがて車内の窓から見えてくる風景は戦時下、日本各地が空襲被害にあっている様子が2人の目の前で表現されていた。物語はそうして始まりを告げていきます。

夏に観たい、アノ映画

難を逃れる兄妹、母との別れ

話は遡り、時はまだ日本がかろうじて戦争を耐えぬいていた時代。清田は迫り来る空襲から必要最低限の食料を地面へ埋める作業に追われ、母と妹節子もまた避難する支度に追われていた。この時母と分かれて別行動を取ることになっていたため、母は一足先に自宅を後にして避難先へと向かす。清田も節子を抱えて避難しようとしたが、間に合わず空襲被害のまっただ中に陥ってしまう。逃げ惑う人々の中、かろうじて海沿いを超えた先には広がるは彼らの故郷である神戸市が炎上する様子だった。

被害が少ない場所へ避難した2人は空襲被害によって焼け野原となった自分たちの故郷を眺めて避難先となっている清田の学校へ向かいます。しかしそこで待っていたのは母が踊り狂うように燃えたぎる炎によって全身が火傷してしまい、見るも痛々しい姿がそこにあった。母に会いたいと訴える節子に対して今は無理だと応える清田、この時清田はすでに母が長くない事が分かっていたものの、僅かな可能性を信じて回復を願う。しかし彼の願いは虚しく、母は全身の包帯が取れることもなく全身火傷によって絶命してしまった。その後遺骨を抱えて預かり先となっていた西宮の親戚でしばらく居をすることとなる。この時、叔母と節子には母の死は告げずに容態は良くないと言葉を濁す。

この時清田は決意したのだろう、この先節子を悲しませないようにと自分がしっかりしなければならない、妹は自分が守るしかないと固く誓うのだった。ただ幼い兄妹2人が生き抜くには時代は優しくなく、残酷なほど厳しい物でしか無かったのです。

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生きていけると思っていた

冒頭から物語序盤部分までのあらすじとしてはこのようになっていますが、最初から戦争によって無力なほど暴力的に圧倒される日本の姿が描かれています。2人もそうですが、個人的には燃え盛る街の中を男性軍人の叫ぶ台詞が何とも痛々しいと感じる瞬間だった。

『天皇陛下、バンザーイ!』

日本が勝つことを信じて疑わなかった軍人たちの妄言と今なら取れる、天皇陛下なら日本を高みへと導いてくれると信じていたのかもしれない。この時代においてはそれが全て正しいものとされていたため、全てが肯定されていた。そんな時代において海軍士官の子息として生まれた清田、彼もまた父を誇りにしていた。

かろうじて空襲からの被害を逃れた清田と節子だったが、最愛の母を失ってしまうも、この時節子は何も知らないまま母と二度と会えない別れをする。清田はその事実をひた隠しにしていくが、それが中盤になって無意味なものだったと知ることになる。ここまでで痛く苦しい場面となっているが、それでもまだ2人の元気な姿が描かれているのが表現されているのは救いといえる。その後の展開を考えると、冒頭部分はまだ微笑ましいと思えるものだが、これより先へと話が進むにつれて耐えられなくなる人も出てくるという。

個人的には今も昔も、ただただじっと作品を見ていた。事実として肯定し、見なくても否定出来ない歴史がかつてそこにあったことを思えば、見ないで済む話ではない。この作品の本質、戦争が混迷になるに連れて誰もが追い詰められていき、生きるのも精一杯になる様子がまざまざと表現されていく。


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