繰り返し見ていく2人

幸せだったかどうか

そんな兄妹2人、14年と4年という短すぎる生涯に幕を閉じることとなり、さらには永遠と自分たちが死ぬまでの時間を見続けなければならないというループに捕らわれる結末、それはひたすらに辛いものだ。それだけ2人が悪いことをしたのかと言うことでもないだろう、だがいうなればその全ての原因を導くこととなってしまったのが彼ら自身でもある。当時のことを考えると、節子のような天真爛漫さが許されるのは特権階級の世界でのみ許される話だ。戦争をしていた時代において、節子と同い年の一般家庭で暮らしていた少年少女達も、自分たちの我儘で親兄弟を困らせてはいけないと本能的に察するものだ。しかし節子は違う、父親が海軍の上官であり、裕福な暮らしの中で優しい母と兄に囲まれて幸せな生活を過ごしていた少女に、我慢という二文字が存在していたかというとそれはないだろう。

また清田にしても、そんな我儘を言う節子に対して制止すること無く状況に似合わない行動を取り続けていた。それは当時の人にしたらとても異常で、この非常時にどうしてそんなに遊んでいられるのだろうと思われていたはず。映画のシーンの中でそれが際立っていたのは海でのやりとりだ。束の間の幸せと回想が繰り広げられて懐かしく感じるが、その側では懸命に今日生きるための食事を得るために必死に仕事をしている女性と子供がいる。

彼らにすれば清田と節子の兄妹そのものが異物であり、何をすること無く楽しそうに遊ぶ姿に苛立ちを覚えただろう。当時の状況を知ることは出来ない、しかし呑気に海まで来て遊ぶなど考えられないことだ。そういう意味で見ても、清田と節子という元上流階級の孤児たちにとって耐えられない生活だったとも分析できる。

夏に観たい、アノ映画

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周辺の人々との共生

この作品から見て取れる一番の特徴は、清田と節子の2人が周囲の人間と理解し合いながらも生きるためには、妥協することが出来なかったことだ。それは現代でいうところの、社会における周囲の人々と共生に失敗して、現実逃避をしてしまう人々に共通している部分もある。作中における二人の場合、元は我儘を言ったところで誰に何かを咎められること無く、不自由のない生活をしていた。清田にしても、本来なら小学校卒業後は勤労奉仕をしなければならなかったが、父親が海軍士官ということもあって中学にまで進学できるほど裕福な家庭に生まれ育っている。

その後学校が燃えてしまって何をどうすればいいのか分からない彼は、ひたすら無為に時間を過ごす事になるが、しいては彼は自分が今後どう動けばいいのか分からなかったといえる状況にある。それに対して叔母から示唆されるも、他人ごとのように聞き流してしまう。もしこの時親からの助言であれば動いたかも知れないが、結局清田にしても叔母とは違う世界に生きているんだという無自覚な部分が何処かしら存在していたとも見れる。そうでなければ当時の風潮から勤労奉仕という選択肢を見誤ることなく行っていただろうが、それが出来なかった点を考えると精神的に幼すぎたとも取れる。

そしてその幼さが周囲との孤立を引き起こしてしまい、誰に頼ること無く自分たちで生きていけると思い込んでしまったがゆえ、悲劇的な結末へとその道を辿ってしまうことになってしまうのです。それまで成功、いわば満たされていて当たり前な生活が普通だった清田にとって社会における挫折な苦境など知る由もなく、また経験してもそれに対して抗う術もなく安易な方向へと傾いてしまった。こうした失敗を幼い頃より経験していればまだ結末は変わっていたのかもしれないが、それを唱えたところで何かが変わるわけではない。

平和を願う、戦争反対!

今の時代においても

作品から見て取れる状況から紐解けるのは、今の状況において日本が戦争をするための建前を手に入れて、かつてのような戦時下になった場合には彼らと同じような境遇に陥る人間が続出すると思われる。それこそ電気もないければ、パソコンも満足に使用できない、食事もできず、生きる術としてがむしゃらに行動できない人が溢れかえることは目に見えている。

軍国主義だったかつての日本においても、清田たちのように道に惑う少数は存在していただろう。半世紀以上も戦争とは無縁だった国がいきなり銃を持ち、敵を滅びすための手段を手に入れたところで何かができるワケがない。戦場へそんな無知な日本人が赴けばむざむざ蹂躙されて駆逐されるだけだ。本物の地獄がひしめきある戦場もそうだが、戦時下となった日本でかつてのような生活を望むことなど不可能に近い。火垂るの墓という作品から見て取れる背景には、現代社会に生きる若者への問いかけはもちろん、戦争の悲惨さで誰が不幸になるか、何がもたらされるのかを考えさせられる作品となっている。

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名作、火垂るの墓を読み解く